2002.4.6 Up Date
プロローグIICiはシンプルで美しいデザインのマシンですが、なにせCPUが25MHzの68030なので、現役で使うには、なにかと制約が多いのが現実です。しかし、ADSLを使ったブロードバンドの登場で、インターネットにイーサで高速に接続できるようになりました。ブロードバンドルータを使用したADSL接続だとアナログモデムやISDNのTAによる接続と違って、CPU パワーを必要とするPPPの処理が不要です。TCP/IPの処理だけで高速にインターネットへ接続ができるので、非力なIICiでも少しパワーアップや工夫をすれば、ある程度実用になります。
ステップ1 ハードウェアの強化CPUカード
68030では流石にCPUパワーが非力なのでturbo 040やCarrera 040などの68040 CPUを搭載したアクセラレータをとりつけます。
Carrera 040は、SCSIカードとの相性があったり、気難しい点があるので、定評のあるDAYSTARのturbo 040(キャッシュ付き)を使用しました。SCSIカード
IICiのSCSIの規格はSCSI 1(最大データ転送速度5MB/S)です。 NuBusにSCSI 2(最大データ転送速度10MB/S)用のカードを入れてHDDと接続すると、少しHDDのアクセスが速くなります。SCSIカードには、MicroNetのNuPort IIIを使用しました。
ハードディスク
ハードディスクは、大きな容量が必要になる訳ではありませんが、なるべく容量の大きなのものを使った方が高速になります。但し、ハードディスクの消費電力には注意が必要です。AppleマークのついたQuantumの700MB を使用しました。NuPort IIとの組合せで、約4MB/Sの転送速度が出ています。
ビデオカード
WEBを快適に見るには、ビデオカードも重要な要素です。なるべく高速なものに越したことはありません。手持ちのSuperMacのSpectrum Power 1152を使用しました。
ステップ2 ソフトうェアの選択OS
OSはCPUの処理能力に合ったなるべく軽いものを使用するのが定石です。漢字Talk7、漢字Talk7.5、漢字Talk7.6のいづれかの選択枝があります。インストールが簡単で、軽い漢字Talk7.5を使用しました。漢字Talk7では、標準でTCP/IPスタックが用意されていませんので、別にMac TCPを用意してインストールを行うことが必要になります。
TCP/IP スタック
ルータタイプのADSLモデムを使用する場合、あるいはブロードバンドルータを使用する場合には、IPアドレスの設定をDHCPではなく、「手入力」の設定で使えば、オープントランスポートを使う必要はありません。Mac TCPが使用できます。
WEBブラウザ
68kで使用できるブラウザとしては、Netscape 4.03、iCab 2.71 、Internet Explorer 4があります。
3つを試用してみた結果、メモリ使用量が少なくて、安定しているInternet Explorer 4.0を選択しました。iCab 2.71は、以前に比べると日本語化されて、ずいぶんと使いやすくなっていますが、上記のハードウェア環境ではタイプ1エラーが、度々発生してしまいました。
WEBブラウザ メモリ使用量 コメント Netscape 4.03 9.5MB 使用メモリ量が多い。 iCab 2.7.1 4.0MB タイプ1エラーが度々発生。 Internet Explorer 4.0 4.1MB 安定している。
チューニング
以下の設定を行うと速度改善に多少は効果があります。
(1) Apple Talkやファイル共有はオフにする 。
(2) Ether Talkではなく、Ethernetを使用する。
(3) ディスクキャッシュを多めに設定する。
(4) ブラウザのメモリ使用サイズを大きめに設定する。
ステップ3 スピードテスト
どの程度の実力があるか、アップルのサイトから2MBのファイルのダウンドードとniftyから「Macな風景その1」(画像13枚)を表示させて、他のシステムと処理にかかる時間比較してみました。
システム ファイル転送時間 画像表示時間 G4 (1.5M ADSL) 21秒 8秒 PB2400 (PHS) 10分 2分 IICi (1.5M ADSL) 65秒 32秒 iMac233 (56Kモデム) 9分 55秒 やたらと重いページや最新のWEBブラウザを使わないとうまく見えないページがありますから、G4マシンのようには行きませんが、10年も昔のIICiでもブロードバンドならPHSのダイヤルアップやiMacのアナログモデム環境以上の性能を発揮できます。Macintoshのすばらしいところです。
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